HOW TO
導入を検討する
自動化設備、どのメーカーを選ぶ?選定のための6ステップ
機種選定
自動化ブームが到来するとともに、自動化ソリューションを提供するメーカーは増加傾向に。国内外含めると20〜30社にのぼると言われています。そうした中、生まれるのが「どんな基準でメーカーを選べばいいのかわからない…」という疑問。複数社に声をかけるのも一苦労となってしまいます。
そこで今回は、メーカーを選定するにあたり、必要な6つのステップを解説していきたいと思います。
目次
ステップ1:メーカーを見つける
まずは声を掛ける対象企業を選定していく必要があります。大きく分けると、その選び方は以下の3つが挙げられます。
①業界専門誌で取り上げられているメーカーから選ぶ
②展示会に参加しているメーカーから選ぶ
③AGV導入知見に長けたコンサルティング企業や、導入実績のある企業にメーカーを紹介してもらう
①②は自らの情報を精査する必要はありますが、比較的簡単に情報収集が可能です。もし③の選択ができるのであれば、製品性能や費用感といった基本的な情報から導入している現場でのプロジェクト推進体制・プロマネ品質、導入後のサポート、トラブル、といった表には出ていないような情報や評判を中心に事前に情報を精査・評価をした上で企業選定ができます。
ステップ2:製品を導入できるかどうか確認する
気になるメーカーが見つかったら、次は導入しようと考えている拠点のレイアウト図面を提示して、メーカーの製品を導入できるかどうかを確認してもらいましょう。ここでのポイントは、細かいデータをやり取りして詳細化しすぎないこと。台数や詳細図面、概算金額まで出すやりとりは時間も労力もかかるので、あくまで導入できるかできないか、その上でクリティカルな問題がないかを確認する程度にとどめておきましょう。
では、クリティカルな問題とはどのようなものが挙げられるでしょうか?
代表的なものとしては、床の平滑度があげられます。AGVが走るための床は極めて重要です。老朽化によって床割れが起きていたり、テープの着脱を繰り返して粘着後が凹凸になっているような現場だとAGVの走行に大きな影響を与えてしまうことになります。
その他、導入において十分なスペースが確保できるかどうか、電気容量が不足しないかどうか、電源が確保できそうかどうかといった点も確認してもらいましょう。
ステップ3:製品視察
ステップ2で事前にクリティカルな問題がないかどうかを確認したら、実際の導入現場へ製品の視察をできるかどうか、メーカーへ確認しましょう。
近年は物流自動化がトレンドになっていることもあり、明確な目的もなく視察に行って、とりあえず製品が動いているのを見ただけで帰ってくる、という企業が多いのが実情です。
メーカー側も限られたリソースを使って視察にアテンドしてくれるわけですから、視察に行く側も、目的を持ち、得たい情報を事前に準備しておくことが重要です。
ステップ4:メーカーの提案意思を確認する
メーカーから導入可能という回答があり、自社としても進める意思がある場合、メーカーから具体的な提案をもらう段階へと進みます。
ただし、メーカー側が繁忙期であったり、納期までに部材が調達できなかったりする理由で、メーカー側が提案したくでもできないというケースがあります。そのため、まずは提案してもらえるかどうか、意思確認しておくことが大切です。
また、3〜5社程度のメーカーを、意思確認の段階まで進めておくことをおすすめします。少なすぎても決め手に欠くことがあり、多すぎると時間がかかり、コンペ自体が空中分解する可能性があります。多くの情報を集めようと、ありとあらゆるメーカーから提案をもらいたくなりますが、ここはぐっと気持ちを抑えて、自社で管理できる範囲に留めることが重要です。
ステップ5:RFP作成
提案の意思が確認できたら、次にメーカーに向けたRFP(提案依頼書)を作成・送付します。各社からもらう提案の内容にばらつきがなく、きちんと比較検討できるように、必要な情報の項目を整理します。このタイミングで各メーカーと秘密保持契約を締結するのも忘れてはいけないポイントのひとつです。また、このあとの提案評価段階に向け、提案書作成期間中に、部内・社内で評価基準を設けておくと、スムーズにステップ6へと進むことができます。
ステップ6:提案内容の評価・決定
各社からの提案が揃った段階で、提案内容の評価に入ります。
・金額が予算内か
・自社の業務、アイテム特性を十分理解した上での提案であると感じられるか
・導入効果が自社の要求しているものに到達しそうか
・導入体制、保守体制が安心できるものか
・何があっても今後一緒に乗り越えていけそうな相手だと思えるか
といった項目に沿って、各メーカーを評価したのちに、パートナーを選定しましょう。
まとめ
メーカー選定で重きを置くべきことは、あらかじめ導入可能であることを確認すること、そして、メーカーからの提案に対して評価基準をもって選定判断をすることです。
どのように進めていけばいいか分からなかった方は、是非参考にしていただければと思います。