HOW TO
導入を検討する
製品視察の機会を無駄にしないための7つの質問
機種選定
自動化設備の導入を検討する際、ある程度導入したい機種の目星がついたら、メーカーへ依頼することにより、実際の導入現場へ製品の視察へ行かせてもらえる場合があります。
近年は物流自動化がトレンドになっていることもあり、「とりあえず視察してみよう」という考えでメーカーへ問合せをする企業が増えているのが実情です。
その結果、製品が動いているのを見ただけで、導入の判断に必要な情報を十分に収集できないまま終わってしまった、というケースに陥りがちです。
せっかく時間を割いて視察へ行くからには、目的を持って、得たい情報を事前に準備しておきたいところです。
そこで今回は、製品視察の機会を無駄にしないための7つの質問をご紹介していきます。
また、「そもそも自社で本当に自動化設備を導入すべきなのか」という検討がまだできていない場合には、視察に行く前に、是非以下の記事を参考にしてください。
目次
質問1:効果を出すための台数と使い方は?
日本企業は、物流自動化の投資を小さく始めたがる傾向にあり、「まずは数台だけ導入」という始め方をする企業が多いです。しかしながら、実際には自動化で効果を出すためには物量のボリュームが必要なため、小さく始めた結果、導入後の検証で「効果が出ない」という結論に至るケースも多く存在します。
製品のポテンシャルを最大限発揮するためには、少なくとも何台の導入が必要になるのかを確認しておきましょう。
また、併せて効果を出すために最も有効な使い方を確認しておきましょう。例えば、AGV導入の場合、効果を出すために必要な最低台数に対して、どのくらいのステーションを設置すべきか、など視察現場での実例を確認しながら、質問してみてください。
質問2:その時の投資額は?
質問1で必要となった台数を導入するにあたっての必要な投資額を確認します。たいていの場合は、製品本体だけではなく、保管ラックや制御システム等も併せて用意することが必須となります。
必要な費目と、それぞれの金額を漏れなく確認するようにしましょう。
質問3:製品導入の有/無による生産性の差はどのくらい?
必要な台数を導入した際の具体的な効果も確認しましょう。
ここでの「効果」とは、製品を導入した場合としなかった場合の生産性がどのくらい変わるか、を指します。
この際、あらかじめ自社の現状と目指したい生産性を把握しておくことが大切です。
質問4:ランニングコストは?
導入にかかるイニシャルの投資額だけでなく、運用にかかる保守費用も確認しておきましょう。
必要な保守体制や部品の交換頻度を確認しながら、目安として導入費の何%くらいの保守費用がかかるかを聞けるとよいです。
質問5:作業手順とその理由は?
ここからは、オペレーション設計にあたっての質問をご紹介していきます。
視察現場で製品を使って実際に運用をしている様子を見ながら、実際の導入後の運用イメージを具体化できるようにしていきましょう。
例えば、AGVでの運用においては、空の棚を発生させると生産性が下がるため、商品を常に同じ場所に保管する「固定ロケ」ではなく、都度最適な場所に棚入れする「フリーロケ」を採用している、など、導入現場には、その製品のパフォーマンスを最大化するためのヒントが隠されています。
現場を見ながら自社の現状運用と異なる部分を確認し、なぜその現場ではその作業手順が採用されているのかを確認していくのもよいですし、製品を導入した際に必要な、特有の作業手順があるかどうかを直接聞いてみるのもよいでしょう。
質問6:庫内設置において考慮することは?
自動化設備を導入を倉庫へ設置する際には、制約事項が存在します。
導入において十分なスペースが確保できるかどうか、電気容量が不足しないかどうか、電源が確保できそうかどうかといった点については、導入する上でクリティカルなポイントになりますので、視察に行く前にあらかじめ問い合わせて製品の要件を確認しておきたいところです。
視察時には、入庫/出庫のやりかたも含めた拠点の動線と全体レイアウトを理解し、自社でどのように反映させるかのイメージを持つことができるようにしましょう。
質問7:考慮すべきシステム要件は?
自動化設備を導入することにより、導入対象の工程だけでなく、前後の工程も含めて、現状の運用を変更する部分が発生します。業務が変更になった場合には、システムの改修が必要になる場合がありますので、要件として考慮しておかなければならない点として把握しておくようにしましょう。
まとめ:製品視察時にはあらかじめ確認ポイントの準備を
視察時の確認事項をあらかじめ準備しておくことにより、視察の際の製品に対する理解が一層深まることになります。
また、これらの疑問をクリアしていくことで、RFPや稟議書の作成など、自動化設備導入に向けた次のステップにスムーズに進むことができるようになります。
ぜひ参考にしてみてください。