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どう書けば良いの?稟議の書き方のポイント解説
ベンダ選定
提案書を評価しこの会社と自動化プロジェクトを進めよう!と決めたら次にやらないといけないのが社内承認をとることです。しかしこの社内承認が一苦労。稟議書を書く必要があるのですが、何を書けばいいのか、どう書けば伝わりやすくスムーズに承認が得られるのかなかなかわかりにくいもの。この記事では自動化プロジェクトにおけるスムーズな社内承認のとり方、稟議書の書き方について解説します。
いざ稟議書を書くといっても普段の運用の中で書く稟議書といえばパレットの追加購入やハンディーターミナルといったものの購入時に書くぐらいではないでしょうか。億を超える金額の稟議を書くということは多くの方にとって初めての経験となると思います。そして当然ながらその金額の決裁は社長決裁となるケースがほとんどだと思いますのできちんと書かないと何度も差し戻しをくらってしまい、時間のロスを発生させてしまいかねません。手戻り無くスムーズに承認してもらえるように最低限押さえておきたいポイントをご紹介します。
まず稟議書については各社指定のフォーマットが既にあると思います。基本的には会社で定められたそのフォーマットに準じて記載して頂く形で良いのですが、最低限の項目だけが決められていてフリーフォーマットに近い稟議書フォーマットも少なくありません。かといって大量の添付資料をつけるだけで後は読み手に委ねてしまうのもよく有りません。結局どこをどう見れば良いのかわからず時間がかかることには変わりないからです。そうなるとやはりしっかりと分かりやすく稟議事項を書く必要があるのですが、何をどう書けばいいのだろうという迷いが生じてしまうと思うので稟議書に何を書こうか迷われている場合は以下を参考にしていただきたいと思います。
目次
自動化の目的を具体的に書く
稟議書に記載する自動化の目的を具体的に書きましょう。ありがちなのが「省人化の実現」といった表現です。一見間違っているようには見えませんがこれでは何を、どの程度、といった部分において情報が不足しています。「ピッキング工程の工数35%削減」や「梱包工程のスポット派遣スタッフ10人/日に頼らない工程作業の実現」といったように具体的に目指す姿・状態を記載するようにしましょう。
必要投資金額と金額に含む範囲を明確にして書く
メーカーから受領している見積り金額を基にしながら記載することになるのですが、自動化はメーカーからの見積書内の項目と金額だけではない可能性もあるので要注意です。例えばシステム、特に自動化設備の導入に伴うWMSの改修費はマテハンメーカーからの見積には含まれていません。その他にも、棚やコンテナといった必要となる什器や資材費用など、どこまでを稟議書内に入れるのかを確認してから漏れのないように記載するようにしましょう。
投資対効果(回収期間)を書く
投資金額を明記したら次に記載しないといけないのはどれぐらいの効果がでて、投資金額はどれぐらいの期間で回収できるのかということです。ここにも大切なポイントがあります。みなさんは投資の効果を効率化だけに求めていませんか?つまり、1億円投じて10人の削減・増員抑制効果があります、10人なので年間2500万円程度の効果があるので4年回収です、といった理屈です。
もちろんそれが基本にはなるのですが、自動化の効果は人が減るだけではありません。人の採用コストの抑制にもつながっていたり、うまく自社のPRとして使うことができれば各種メディアに取り上げられるという広告宣伝効果も期待できます。そういった効果が期待できる項目も洗い出しの上で定量化にチャレンジし、自動化の効果として盛り込むことを検討しましょう。そうすれば回収期間の短期化にもつながり効果的な稟議書となります。
採択するメーカーの実績や評価ポイントを書く
いまマテハンメーカーは大手からベンチャーまでたくさんのプレイヤーがいます。必ずしも決裁者がメーカー名を見ただけで分かる企業とも限りません。もしご一緒する企業がまだまだ知名度も実績も少ない場合はしっかりとその企業のセールスポイントや実績についても記載するようにしましょう。せっかく良い内容でも信頼や実績のアピール不足で不採用となってしまってはとても勿体ないのでその点もぬかりなく進めましょう。
導入後の効果検証の計画を書く
自動化プロジェクトは導入して終わりではなくそこからが始まりです。決裁者も導入した翌日から計画通りのパフォーマンスが出るとは考えていないはずです。どういう計画で生産性を高めていくのか、計画に対して実績値にギャップがある場合はどのように改善を進めていくのかという部分も当然気にされています。詳細な計画を立てることは難しいですが、考え方や方針を示すことは可能だと思いますので合わせて整理・検討しておきましょう。
結び
稟議書がうまく書けず、決裁が取れずに自動化プロジェクトが仕切り直しになったり、延期になったりするケースはよくあります。多くのステークホルダーを巻き込み、時間と労力をかけて進めてきたのに仕切り直しとなってしまうのは避けたいですよね。ポイントを押さえて簡潔に伝わりやすい内容で稟議書を作成し、無事に決裁を取れるように進めていきましょう